沖縄での選挙結果

昨日、沖縄で県知事選、県議補選、那覇市長選、那覇市議補選で行われた。
沖縄は保守、革新の勢力の区分けが強く、その両者の力がわりと拮抗している。知事選となると保守vs革新の対決構図になることが基本なのだが、今回、自民党などが推薦した現職仲井真弘多候補に対して、元々自民党の県議で今は那覇市長の翁長雄志候補が、保守の一部と革新の支持を得て対決する構図になった。また、下地幹郎候補も保守政治家である。喜納昌吉候補は保守とは言えないが、いずれにせよ、保守同士の対決ということになった。その対決軸には辺野古への米軍基地移設という問題があるわけだが、これがもっと進むと、中央政府に従う保守と中央政府に抗う保守への分裂というかたちになるのだと思う。その萌芽が現れた県知事選であったのではなかろうか。
ただ、選挙戦の後半では中央では衆議院解散の話題で持ちきりになって、中央の自民党沖縄県知事選より総選挙、という感じになった。もともと仲井真知事を今度の選挙の候補にすることは中央の自民党が難色をしめていたのだが、地元の意見を受けて仲井真候補を推すことにした。ただ、情勢的には不利であったことで、なんだか中央の自民党に仲井真候補が見捨てられたような感じもする。それがこの10万票近い大差での敗北となったように思う。
それでは各候補の得票が1位になった市町村を以下に記す。

仲井真候補は八重山で強く、下地候補は宮古で強い。ただ、基本的には翁長候補が強かった。なお、翁長候補が1位の市町村は2位が仲井真候補、3位が下地候補、4位が喜納候補となり、仲井真候補が1位の市町村は2位が翁長候補、3位が下地候補、4位が喜納候補となるが、渡名喜村だけ3位が喜納候補、4位が下地候補(0票)となっている。下地候補が1位の市町村は2位が仲井真候補、3位が翁長候補、4位が喜納候補となっている。
那覇市では翁長候補90284票、仲井真候補53449票とだいぶ差がついている。その結果と重なるように、那覇市長選では翁長後継の城間幹子候補が当選している。県議補選は那覇市沖縄市、名護市と三つの選挙区で行われたが、那覇市、名護市では翁長系の候補者が当選、沖縄市では自民党の候補者が当選している。自民党としては名護市の元職が敗れたのは痛いだろうが、3敗しなかったのはまだ朗報か。那覇市議補選は(おそらく)革新系の候補がダントツで当選、残り1議席自民党の候補がとった。落選した候補の1人は自民党の候補者、もう1人は無所属で保守系だが翁長支持の候補者だったようだ。もう1人がかりゆしクラブの屋良朝助氏で落選したものの10000票以上の得票を得ている。