宇都宮LRT計画実地レポート

以前、宇都宮のLRT導入雑感という記事を書いて、コメントも頂き、google:宇都宮 LRTで検索すると上位でヒットするとのだが、私自身、宇都宮は中心部くらいにしか行ったことがなかった。語れるほど知っているわけではない。そこで、宇都宮に行ってみなくては、と思っていたのだが、なかなか行くことができず、この記事を書いてから8ヶ月後、ようやく宇都宮に行ってきた。もっとも、宇都宮のLRT計画はほとんど進展がないようなので、前の記事を書いたときとほとんど状況は変わっていないと思う。
まず昨日(7日)の話、夕方東武宇都宮駅に着いて、LRT計画の西側の終点とされる桜通十文字まで大通りを歩いてみる。片道3車線で余裕があるようにみえた。桜通十文字はまわりに何があるということもないのだが、地図を見ると近くには高等学校がいくつかある。東武宇都宮駅のあたりでLRTを折り返すのは用地上の都合で難しいが、このあたりであれば折り返すが可能という判断なのだろう。帰りはJR宇都宮駅までバスに乗る。バスは頻発している。巡り合わせもあるが、桜通十文字の時点はバスの乗客は10人程度。途中から乗ってくる人もけっこういた。バスは上三川町の東汗行きだったが、ほとんどの人(もしかしたら全員)がJR宇都宮駅までで降りていった。バスに乗るときに「このバスは駅に行きますか?」と聞いている人が多かった。東武、JR駅は経由するが、それが外から見てわかりずらいのだ。しかも、行き先は「東汗」である。びびっちゃうよ。ちなみに「ひがしふざかし」と読む。行き先には読み仮名も書いてあったが、読み方がわかってどうにかなるものでもない。
今日(8日)は清原方面に行ってきた。行程としては、JR宇都宮駅(JRバス)清原中央公園(徒歩)清原台団地(バス)刈沼(徒歩)柳田車庫(バス)宇都宮駅東口、である。逐一書くと長くてブログの範疇を超えるので、箇条書きで要点だけ書く。

  • JR宇都宮駅から清原中央公園までバスに乗るが、乗客は私と途中で乗ってきた1人だけ。水戸街道を行くがそれほど混んではいなかった。
  • 清原工業団地は休日ということもあって予想どおり閑散としていた。清原中央公園の運動施設に人が多く集まっていた程度である。工場からラジオ体操の音が流れていた。
  • 清原工業団地から清原台団地の南側まで歩いてみる。このあたりはもう芳賀町で、歩いて芳賀町の領域に足を踏み入れたりした。
  • 清原地域には「清原さきがけ号」というコミュニティバスが走っている。現地で初めて知った。あらかじめ知っていれば乗ってもよかったが、今回は乗らず。
  • 清原台団地は規模としてはそれほど大きくはない。ただ、郊外の住宅地にしては珍しくアパートが多かった(普通は一戸建てが多い)。清原工業団地に勤めている人が多く住んでいるのかもしれない。職住近接ということか。
  • 清原台3丁目から刈沼までバスに乗る。こちらは10人弱の乗客がいた。
  • 刈沼バス停付近でLRTの看板を発見。宇都宮に来て初めて「LRT」の文字を見る。写真をいちばん下に貼っておく。なお、この看板はJR宇都宮駅東口にもあった。
  • 刈沼の少し東側にあるのが宇都宮テクノポリスで、そのあたりがLRT計画の東側の終点とされている。郊外型の店舗がいくつかあった。また、宅地開発も行われていた。
  • 柳田大橋を渡って柳田車庫まで歩く。この時間でも交通量は多く、確かに通勤時間帯は混雑しそうである。柳田大橋の北側に新しい橋を架けるようだ。
  • この日は清原にあるグリーンスタジアムでサッカー(Jリーグ・栃木SC)の試合があって、シャトルバスが清原方面に向かって何台か走っていった。立ち客がでているバスもあった。サッカー観戦客がLRTを利用すれば少しは足しになるかと思ったが、別のスタジアムを建設する計画があるようだ。
  • 柳田車庫から宇都宮駅東口までバスに乗る。途中、ベルモールという大型ショッピングセンターにも立ち寄る。しかし、終始乗客は私だけだった。ただし、その折返しとなるバスに乗る客は多かった。若者が多い。ベルモールまで行くのだろうか。
  • LRTが走る予定だという柳田街道は片道2車線で、そこにLRTを通すのは難しいのではないかと感じた。
  • 宇都宮駅東口は再開発中だが、LRT計画とリンクしているかはわからなかった。(前述の看板はあったが)

とりとめもなく書いてしまったが、これをまとめる時間もないのでご容赦いただきたい。個人的には、「宇都宮にLRTをどうしても作りたい」ということでなければ、LRTを作るべきではないと思った。そして、どうしても作りたいのであれば、桜通十文字〜JR宇都宮駅に作ったほうがいいとも思った。平日の状況を見てないのがアンフェアなのだが、今日の状況を見た限りでは、東側にLRTは不要なのではないかと思う。本当に車社会からの転換を図っていくのであればLRT導入だけで済む話ではなく、宇都宮の街の構造を大きく変える必要がでてくる。そこまでやるつもりはないのなら、LRTが街づくりの中で浮いた存在になり、全体として失敗になる可能性が高くなるように思う。「LRTがまちを変える!」とあるが、「LRTにあわせてまちを変える」くらいのつもりがないと、成功しないのではないか。