都営地下鉄大江戸線(都市高速鉄道12号線)の延伸計画について

都営地下鉄大江戸線(都市高速鉄道12号線)を光が丘から先に延伸する計画がある。光が丘から大泉学園町までは「2015年までに整備着手することが適当である路線」とされており、その先新座市清瀬市を通って、東所沢駅までが「今後整備について検討すべき路線」と位置づけられている。その流れで、練馬区新座市清瀬市所沢市清瀬市のサイトによると準会員として狭山市)で構成される「都市高速鉄道12号線延伸促進協議会」が設置され、延伸に向けた活動をしている。
ただ、大泉学園町までは東京都であるが、そこから先は埼玉県なわけで、そこに東京都営地下鉄を延々と走らせるというのは現実味に乏しい気もする。そういう高い目標も掲げつつ、一方では、東京都から新座市に操車場と合わせて1駅の延伸が非公式に打診されているそうだ。また、新座市都営地下鉄を延伸するとなると、東京方面からの利用者が増加するよう、大学、企業、娯楽施設などを誘致することが必要だと伝えられているらしい。
そういうことを踏まえた上で、新座市としては、既に大江戸線延伸後に作る駅の場所を決め(新座市馬場)、その周辺に水族館や大学を誘致したいと考えているそうだ。
新座市内の公共交通網を考えた場合、新駅予定地は現状では何もない場所で、ここに駅ができても既存の公共交通機関有機的に結びつくことがない。朝霞台駅ひばりヶ丘駅北口を結ぶバスが比較的近くを通っているので、そのバスが乗り入れることになるのか。これがたとえば、新座市役所の場所に駅を作るというのであれば、今でもバスが多数乗り入れているので、まだいいのだが。また、通常こういった鉄道新設事業の宣伝文句にありがちな「新宿までXX分」というような情報もない。結局、鉄道を引っ張ってくるという目的が、駅を作ってその周辺を開発する、という目的にすり替わっているように感じる。
そういうわけで、私が現時点で出ている情報から考えるに、既に住んでいる一般の新座市民に大きなメリットをもたらせるという視点での計画とは思えないのである。それよりも、既存の鉄道路線を含めた公共交通網の改善をしてほしいものだ。